2020.02. 3

臨床雑誌「内科」2月号についてご案内です

当院病院長 公平 誠 医師の連載記事「プライマリーケア医のがん診かた」が臨床雑誌「内科」2月号に掲載されました。今回は、がんと循環器疾患についての2回目になります。

今回のテーマは循環器疾患のなかでも「血栓症」を取り上げています。
血栓というのは、血管の中で血の塊ができて、それが血管内の血液の流れのって内臓の血管に詰まったり(脳梗塞、心筋梗塞、肺血栓塞栓症など)、静脈などの血管内に血の塊ができて大きくなる(深部静脈血栓症)などがあります。

実はがん患者さんでは「血栓」ができやすいことが知られています。
がんと血栓について知られるようになったのは意外にも古く、1865年にフランス人のトルソー医師が胃がん患者さんの血栓性静脈炎を報告して、以後はがん患者の表在静脈における反復性・遊走性の血栓症をトルソー症候群と呼ばれるようになりました。

なぜがん患者さんで血栓が多いかというと、、がんそのものに伴う血の塊やすさの異常の発生に加えて、抗がん剤やその他のがん治療薬、中心静脈カテーテルの使用、がんの手術、がんに対する放射線治療なども血栓発生のリスクとなっているからです。
驚くべきことに米国からの報告では、がん患者さんの死因のうち血栓症ががんに次いで二番目に多い原因であったことなども示されています[1]。
そのためがん患者さんでは、血栓症のリスクについてを評価したり、必要に応じて血栓症の予防や治療を行うことなどが海外のガイドラインで推奨されています[2]。

日常診療ではしばしば血栓症が見つかる場合があります。例えば足(特に下腿)が浮腫んできたというときに超音波検査で静脈内に血栓が見つかること(深部静脈血栓症)や呼吸が苦しいというって来院された患者さんでCT(造影剤を用いた)検査にて肺動脈の血栓(肺動脈血栓塞栓症)が判明する場合があります。このような血栓がみつかった患者さんでは背景にがんがある可能性があるのでしょうか?
実はプライマリーケア医が診断した血栓症の患者さんの7.2%に血栓症の診断後にがんがみつかったという研究があります[3]。しかしながら、血栓症がみつかった方すべてにがんの検査をするとなると患者さまも負担が多く非常にたいへんです。研究では血栓症が診断された方のうち、がんのリスクが高い方を分類する方法(RIETEスコア)図1[4]などが紹介されており合計点数が高いほどリスクが高いとされます。

図1.がんのリスクが高い方を分類する方法(RIETEスコア)
内科+2月号+図1 (3).jpg

当院では、循環器内科と協力して血栓症の診断・治療も行っています。
がん患者さまで、足が浮腫んできた、息苦しさがでてきたなど
血栓の可能性がある方やその他循環器疾患をお持ちの方など対応させていただいております。
内科、腫瘍内科でご相談をうけておりますので、お気軽にご利用ください。

参考文献
1. Farge D, Frere C, Connors JM et al. 2019 international clinical practice guidelines for the treatment and prophylaxis of venous thromboembolism in patients with cancer. Lancet Oncol. 2019 Oct;20(10):e566-e581
2. Key NS, Khorana AA, Kuderer NM et al. Venous Thromboembolism Prophylaxis and Treatment in Patients With Cancer: ASCO Clinical Practice Guideline Update. J Clin Oncol. 2019 Aug 5:JCO1901461.
3. dega R, Moons KG, Karel Nieuwenhuis H et al. Deep vein thrombosis in primary care: possible malignancy? Br J Gen Pract. 2006 Sep;56(530):693-6.
4. Jara-Palomares L, Otero R, Jimenez D et al. Development of a Risk Prediction Score for Occult Cancer in Patients With VTE. Chest. 2017 Mar;151(3):564-571

内科 2月.jpg

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