今回は運動耐性への影響についてです。
運動耐性に関しては、心肺機能、筋力、体組成、柔軟性などの様々な要素が関連します。
これまでの研究では、がんサバイバーが運動することによってVO2 maxなどの心肺機能や筋力、筋持久力や体組成を改善することが示されていますが、個人で考えますと病気や治療によって異なってきます[1]。
がん治療によって、貧血や倦怠感が発生すると運動耐性は低下しますし、治療中は日々体調が変化もします。
がんサバイバーの運動耐性に関するいくつかの研究があります。
1) 心肺機能
抗がん剤治療では心肺機能が落ちることが知られています。抗がん剤治療(術後化学療法)中の患者さんに対する運動のランダムか比較試験では心肺機能が改善することが示されています[2,3]。
2) 筋肉量について
前立腺がんで使用されるホルモン療法では筋肉の合成に関与するテストステロンを抑えるため筋量と筋持久力が低下します。ホルモン療法中は筋トレしても筋肉が付きづらいように思われますが、これまでの研究では筋トレや有酸素運動を組み合わせたトレーニングの実施にてわずかであるものの統計学的に有意に体脂肪量を除いた残りの体重(lean body mass)を増加させています[4]。
3)体組成について
大腸がん(胃がんも)、肺がん、膵臓がんなどでは体重が減ってしまいます。
一方で、ホルモン療法を行う乳がんや前立腺がんでは体重が増えてしまいます。
抗がん剤治療では体重が減ってしまうことがあるため、運動をするにあたっては過度にエネルギー消費が多くなりすぎて体重がより減ってしまうことに注意が必要になります。
エネルギーや栄養不足になってしまうと倦怠感などが増してしまいQOLが低下します。
体重や体組成の変化が懸念される場合には運動にあたって栄養士へも相談することも良いです。
4)柔軟性や可動域
手術などで特定の部位の柔軟性や可動域が失われることがあります。
そのため運動の専門家はがんサバイバーの手術部位やそれによる柔軟性の低下や可動域制限による異常な動きを察知して動きを修正したり過度な負荷がかからないように注意するようにします。
図1

運動耐性に関しては、心肺機能、筋力、体組成、柔軟性などの様々な要素が関連します。
これまでの研究では、がんサバイバーが運動することによってVO2 maxなどの心肺機能や筋力、筋持久力や体組成を改善することが示されていますが、個人で考えますと病気や治療によって異なってきます[1]。
がん治療によって、貧血や倦怠感が発生すると運動耐性は低下しますし、治療中は日々体調が変化もします。
がんサバイバーの運動耐性に関するいくつかの研究があります。
1) 心肺機能
抗がん剤治療では心肺機能が落ちることが知られています。抗がん剤治療(術後化学療法)中の患者さんに対する運動のランダムか比較試験では心肺機能が改善することが示されています[2,3]。
2) 筋肉量について
前立腺がんで使用されるホルモン療法では筋肉の合成に関与するテストステロンを抑えるため筋量と筋持久力が低下します。ホルモン療法中は筋トレしても筋肉が付きづらいように思われますが、これまでの研究では筋トレや有酸素運動を組み合わせたトレーニングの実施にてわずかであるものの統計学的に有意に体脂肪量を除いた残りの体重(lean body mass)を増加させています[4]。
3)体組成について
大腸がん(胃がんも)、肺がん、膵臓がんなどでは体重が減ってしまいます。
一方で、ホルモン療法を行う乳がんや前立腺がんでは体重が増えてしまいます。
抗がん剤治療では体重が減ってしまうことがあるため、運動をするにあたっては過度にエネルギー消費が多くなりすぎて体重がより減ってしまうことに注意が必要になります。
エネルギーや栄養不足になってしまうと倦怠感などが増してしまいQOLが低下します。
体重や体組成の変化が懸念される場合には運動にあたって栄養士へも相談することも良いです。
4)柔軟性や可動域
手術などで特定の部位の柔軟性や可動域が失われることがあります。
そのため運動の専門家はがんサバイバーの手術部位やそれによる柔軟性の低下や可動域制限による異常な動きを察知して動きを修正したり過度な負荷がかからないように注意するようにします。
図1

上記のように、運動を継続的に行っていくために注意しておきたい点がいくつもあります。 がん患者さんで治療中や治療後でも運動することで良い効果を得られることが多いです。
無理のない範囲を守って楽しく運動していきましょう。
参考文献
1.Campbell KL, Winters-Stone KM, Wiskemann J et al. Exercise Guidelines for Cancer Survivors: Consensus Statement from International Multidisciplinary Roundtable. Med Sci Sports Exerc. 2019 Nov;51(11):2375-2390.
2. Scott JM, Zabor EC, Schwitzer E, et al. Efficacy of exercise therapy on cardiorespiratory fitness in patients with cancer: a systematic review and meta-analysis. J Clin Oncol. 2018;36(22):2297-305.
3. Buffart LM, Sweegers MG, May AM, et al. Targeting exercise inter- ventions to patients with cancer in need: an individual patient data meta-analysis. J Natl Cancer Inst. 2018;110(11):1190-200.
4. Gardner JR, Livingston PM, Fraser SF. Effects of exercise on treatment-related adverse effects for patients with prostate cancer re- ceiving androgen-deprivation therapy: a systematic review. J Clin Oncol. 2014;32(4):335-46.