1.糖尿病とは
糖尿病とは、インスリンというホルモンの低下によって高血糖が慢性的に続く病気のことです。糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。
2.糖尿病の種類
1)1型糖尿病
膵臓がインスリンをほとんど、あるいは全く作らないために体の中インスリンの量が絶対的に足りなくなって起こる糖尿病です。
(1)1型糖尿病の原因
① 型糖尿病にかかりやすい体質を持っている。
② 何らかの原因により、インスリンを作っている、すい臓の一部が破壊される。
2)2型糖尿病
インスリンの量が不十分で起こる糖尿病と、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなるために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こる糖尿病があります。
(2)2型糖尿病の原因
① 40歳以上の人
② 太りすぎの人
③ 家族に糖尿病の患者がいる
④ 著しい運動不足
3)境界型糖尿病
境界型糖尿病とは、血糖値が糖尿病型と正常型の間にある、
糖尿病予備軍とよばれるものです
(1)遺伝子因子として遺伝子異常が原因となる糖尿病
(2)他の疾患、条件に伴うもの
(膵疾患、内分泌疾患、クッシング症候群、褐色細胞腫、先端巨大症)、薬剤 プレドニンなど)感染症 他
4)妊娠糖尿病
妊娠時に現れる糖尿病。新生児に合併症が出ることもあります。
3.糖尿病の症状
症状がなく糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいます。糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。
1)高血糖における症状は、
(1)喉が渇く、水をよく飲む
(2)尿の回数が増える
(3)体重が減る
(4)疲れやすくなる
さらに血糖値が高くなると、意識障害に至ることもあります。
症状がまったくないまま健診などで糖尿病が判明する方もいれば、急に高血糖の症状が現れて糖尿病が判明する方もいます。高血糖が放置されると手足のしびれ、感覚鈍麻、視力低下など多彩な症状が現れます。
4.糖尿病3大合併症
1)糖尿病神経障害
最も早く発症する合併症が神経障害です。症状の現れ方は様々ですが、多く見られる症状の一つとして手足の先の痛みや痺れなどの末梢神経障害です。さらに症状が進行すると徐々に感覚が鈍くなっていき、足に怪我をしても気付かなくなります。その結果、細菌に感染し、最終的には細胞が壊死するため足を切断しなければならないこともあるのです。その他、起立性低血圧や悪心・嘔吐、便秘、下痢といった胃腸障害、さらに勃起不全といった自律神経障害の症状も現れます。
2)糖尿病網膜症
血糖値が高い状態が長く続くと網膜の血管が損傷し、視力が弱まります。悪化すると失明する場合もあります。また、白内障になることも多いといわれています。日本の成人の失明原因の第1位が糖尿病網膜症です。
3)糖尿病腎症
糖尿病腎症になると腎臓の毛細血管が損傷し、病態が進行すると尿を作れなくなります。このような状態になると人工透析を行わなければならなくなり、機械を使用して血液中の老廃物を排泄する必要があります。人工透析が必要になると週に2,3回は透析を行わなければならないため、日常生活に大きな影響を及ぼします。透析を行わなければ老廃物による毒素が全身にまわり、尿毒症症状が現れ死に至ります。現在、人工透析が必要になる原因の1位が糖尿病腎症です。