2021.09. 7

抗体カクテル療法を始めます

こんにちは。


公平病院の薬剤科です。


ついに当院でも新型コロナウイルスに対する抗体カクテル療法(製品名:ロナプリーブ)を始めますので、その効果や副作用についてお話ししていきます。



まず、新型コロナウイルスの体内への侵入経路について説明します。


新型コロナウイルスはスパイクタンパク質のRBD(Receptor Binding Domein)を介してヒト粘膜上皮細胞のACE2受容体に吸着し細胞内へ侵入します。


図1.png


①ウイルスがACE2に吸着する。
②吸着したウイルスは細胞内へ侵入する。


図2.png


ロナプリーブはRBDに対する抗体であり、RBDとACE2の吸着を阻害します。
これにより新型コロナウイルスの侵入や増殖を抑えることができます。


mRNAワクチン(ファイザーのコミナティ等)はRBDに対する抗体免疫を得るワクチンです。
ですのでロナプリーブはワクチンで得られる免疫を1回だけ手に入れることができるお薬と言っても良いかもしれません。


ロナプリーブの適応は新型コロナウイルス感染症ですが、投与にあたりいくつか制限があります。
・症状があり、発症から7日以内に投与が必要です。
・重症化リスクを有すること(喫煙や肥満、糖尿病、高血圧、COPD、喘息など)
・酸素吸入を行っていないこと。
などです。


用法用量は、ロナプリーブ1200㎎(カシリビマブ及びイムデビマブを各600mg)を1回だけ注射します。


その気になる効果ですが、
・ロナプリーブを1200㎎投与した群
・プラセボ(偽薬)を投与した群
この2つの群で、入院などの発生率を比較したグラフが下記になります。


図3.png


(ロナプリーブ適正使用ガイドより)


灰色の線がプラセボ、青色の線がロナプリーブを投与した群です。
プラセボでは3%の方が入院等されましたが、ロナプリーブは1%であり、70%の減少効果があることが分かります。
もしもすべての患者様に投与ができたとすると、入院患者数は1/3に減少します。


副作用ですが、臨床試験では注入に伴う反応や頭痛、浮動性めまい、悪心が1件ずつ報告されています。


図4.png
(ロナプリーブ適正使用ガイドより)


以上、抗体カクテル療法に関する説明でした。

当院では副作用の、投与に伴う反応に備えて1泊2日で投与を行います。
薬剤の価格や入院費が気になるかもしれませんが、抗体カクテル療法も公費で受けられます。


新型コロナウイルスの流行は収まりませんが、着々と治療薬やワクチンの開発が進められており、いつかは終息を迎える日が来ると思います。それまで当院は新型コロナウイルス対策に尽力してまいりますので、至らない点もあるかもしれませんが、何卒よろしくお願い致します。

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