こんにちは、薬剤科です。
それでは第3回目「骨粗鬆症の治療薬」についてお話します。
【治療薬の種類】
骨粗鬆症治療薬は大きく3つに分類されます。
1. カルシウム剤
2. 骨吸収を抑えて骨密度低下を抑える薬剤
3. 骨形成を促進して骨を強くする薬剤
どの薬剤も治療効果はすぐには出てこないため、継続して飲み続ける必要があります。
継続しやすいように当院では剤形や投与間隔の異なる薬剤を用意して、個々の患者さんに合った薬剤を選択しています。
【1.カルシウム剤】
骨密度に重要なカルシウムは食事だけで必要量を摂取しようとすると大変ですが、カルシウム剤で補うことができます。
【2. 骨吸収を抑えて骨密度低下を抑える薬剤】
(1) エストロゲン製剤
女性ホルモンのエストロゲンは破骨細胞の働きを抑え、骨芽細胞の働きを助けます。
閉経後のエストロゲンの分泌量は男性よりも少なくなるため骨粗鬆症は女性に多いようです。
不足したエストロゲンを補充するのがエストロゲン製剤です。
(2) ビスホスホネート製剤
骨の表面に結合し、骨を壊しに来た破骨細胞の働きを抑えます。
(3) RANKL阻害剤
破骨細胞の活性化に関わるRANKLというたんぱく質の働きを抑えます。
【3. 骨形成を促進して骨を強くする薬剤】
(1) ビタミンD製剤
カルシウムの吸収量を増加させる作用があります。
当院採用薬:エディロールカプセル、ワンアルファ錠
用法用量:1日1回内服
(2)ビタミンK製剤
骨形成を促進します。
(3) テリパラチド製剤
骨芽細胞を活性化させるホルモンにパラトルモンがあります。
このパラトルモンの代わりとなり骨芽細胞を活性化させるのがテリパラチドです。
当院採用薬:テリボン注
用法用量:週1回皮下注射
※近日に自己注射できる剤形が発売されるようです。
(4) 抗スクレロスチン製剤
骨形成抑制と骨吸収促進作用を併せ持つスクレロスチンの働きを阻害します。
当院採用薬:イベニティ注
用法用量:月1回皮下注射
※もう少ししたら採用予定です。
お薬の紹介は以上です。
お薬のことでさらに知りたいことや困ったことがあれば薬剤師に相談してください。
当院の院長ががん患者さんやがんサバイバー(がん経験者)の方の骨粗鬆症について解説しております。興味のある方はぜひご覧ください。↓
https://kodaira.life/letter/doctor/-20191018-httpskodairalifeletterpharmacistpost-155php-asco-2015httpwwwjosteocomjaguidelinedoc15-1pdf.php
おわりに
骨粗鬆症デーのイベントは今年初めて開催いたしました。骨密度測定は数名ですがご参加いただけました。これを機に健康な骨を作っていただけたらなと思います。
イベントに参加した皆さま、ご協力いただいた方々にはお礼申し上げます。
ありがとうございました。