こんにちは。はじめまして。薬剤科です。
記念すべき第1回目は『骨粗鬆症』についてお話しようと思います。
なぜいきなり骨粗鬆症なのか?
実は私はこういった患者さま向けのコラムを書いたことないので、何をどうすればいいのか分からず、すごく悩みました。悩んだ結果、自分が今一番興味があり、皆さんにもっとよく知ってもらいたいと思っていた『骨粗鬆症』について書かせてもらおうかな、と決めました。
今、日本には骨粗鬆症患者さんは約1300万人以上いるといわれています。予備群も含めると、その数は4000万人にも達するそうです。そして、高齢化社会が今後も進むことで、その患者数はさらに増加することが予測されています。
しかし、その患者数に対して、実際の治療率は全体の15%程度にしか満たないといわれているのです。
では骨粗鬆症の治療をしないことの何が問題なのか?
それは、骨がもろくなることによって骨折しやすくなってしまうことです。そして、骨折は介護が必要となる原因の約10%を占めるほど、生活の質に大きな影響を及ぼす要因なのです。
今後の生活のためにも、これを読んで興味を持っていただければと思います。
そもそも、『骨粗鬆症』とは何なのか?
先ほども少し述べましたが、骨粗鬆症とは骨がもろくなる病気、ということは皆さんもなんとなくご存じかと思います。
もう少しくわしく説明すると、骨は、骨を作る細胞(骨芽細胞)と、骨を壊す細胞(壊骨細胞)がバランス良く働いて、常に一定の強度を保っています。
しかし、さまざまな要因でこのバランスが崩れてしまい、骨の破壊が上回ってしまったとき、骨がもろくなり、ちょっとの衝撃でも骨折しやすい状態=骨粗鬆症となります。
骨粗鬆症は、はじめは自覚症状が表れにくい病気です。骨折してはじめて病気を自覚する、ということも珍しくありません。
初期に見られる代表的な症状は『背中や腰が痛くなる』『背中や腰が丸くなる』『身長が縮む』の3つです。
年齢とともに身長が縮むことはよくありますが、身長が縮む主な原因のひとつに骨粗鬆症も含まれます。これは、骨がもろくなり、背骨がつぶれてしまう(圧迫骨折)のためです。
「年のせい」と片付けず、気になる症状があれば、一度受診して検査を受けることをお勧めします。
今回はここまで。
薬剤科のコラムなのに、全く薬について触れていませんが(笑)
次回は骨粗鬆症になりやすい人についてお話しようと思います。